「月と六便士」はそれほど長くない本であり、常に古典として尊重されています。最近、通勤中に車を運転しながらそれを聞き終えました。
書かれている内容は確かに良いですが、特に人物の心理描写が非常に細やかです。すべての人物が非常に生き生きと描かれており、それが古典とされる理由があるようです。
しかし、私は聞き終えた後、この本があまり好きではなかったし、本の主人公もあまり好きではなかったです。おそらく私自身が凡人であり、その高尚な内面の選択を理解できないからかもしれません。
主人公は最終的に広く天才と見なされていますが、彼自身の選択、学習プロセス、内面的な人生の洞察がなければ、その非凡な絵画は世に現れることはありませんでした。この観点からすると、天才は適切でない位置づけになってしまったようです。
月は手の届かないものです。私は考えています。主人公が人々の目には天才となり、絵画の歴史で成功したとしても、主人公自身はそれに無関心であるべきです。彼が追求しているのは手の届かないもの、内面に永遠に到達できないものです。世俗的なものは彼の追求ではありません。
実際、自分の追求する方向をはっきりと心に持っている人は、世間には少ないです。ほとんどは心が揺らいでいるか、何を求めているのかわからないかのどちらかです。
確固たる追求を見つけられない場合、六便士は自然と私たちの選択肢となります。六便士は理解しやすいものであり、毎日早く出て遅く帰り、給料のため、物質的に豊かな生活のためです。さまざまな世俗的な欲望とニーズは六便士のためです。
私にとって、六便士は理解しやすいものです。今、私は手に六便士を握りしめ、何か生きる意味を探し続けています。それが月なのでしょう。
月は一体何なのでしょうか？私はまだよくわかりません。内面の追求か？興味の解放か？名を残し、永遠に世に留まる独創的なものではないでしょうか？
長年の考えの結果、私は生命にはあまり意味がないと悲観的に考えることが多いです。人間は、短期的な追求から内面の平穏に至るまでが成功だと思います。得失心が少なければ、内面はより平穏になると感じます。
もちろん、私がこれらの言葉を言っているのは少々矛盾しているかもしれませんが、若い頃は努力家であったことを一言付け加えておきます。